AIをビジネスに実装する方法 著者:岡田 陽介

AIをビジネスに実装する方法

岡田 陽介(おかだ ようすけ)
株式会社ABEJA代表取締役社長
日本ディープラーニング協会理事
1988年愛知県名古屋市出身。10歳でプログラミングをスタート。高校でCGを専攻し、全国高等学校デザイン選手権大会で文部科学大臣賞を受賞。大学在学中、CG関連の国際会議で発表多数。その後、ITベンチャー企業を経て、シリコンバレーに滞在中、人工知能(特にディープラーニング)の革命的進化を目の当たりにする。帰国後の2012年9月、日本で初めてディープラーニングを専門的に取り扱うベンチャー企業である株式会社ABEJAを起業。2017年には、ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指し、日本ディープラーニング協会の設立に参画、理事を務める。AI・データ契約ガイドライン検討会委員(2017年12月~2018年3月)、IoT新時代の未来づくり検討委員会 産業・地域づくりワーキンググループ構成員(2017年12月~2018年3月)、IoT推進コンソーシアム・カメラ画像利活用サブワーキンググループ構成員(2017年11月~2018年3月)、AI社会実装推進委員会委員(2017年12月~2018年2月)、Logitech分科会委員(2018年2月~、2018年8月末時点継続中)等、公的な審議会での委員も歴任。

なぜ、今になっても企業はAI導入に二の足を踏むのか

2012年10月 世界的なAIの画像認識コンテストILSVRCにて
画像認識のエラー発生率 25~26% から、10ポイント以上低減に成功
『トロント大学のジェフリー・ヒントン教授率いるスーパービジョンチーム』

その手法が・・・
ディープラーニング
(深層学習)

これをきっかけにディープラーニングの研究に着手。
2015年にはディープラーニングの画像認識の精度は人間を上回った。

なぜ、今になっても企業はAI導入に二の足を踏むのか

ITの分野では音声認識技術やスマートスピーカーに活用

IT業界ではAIはかねてより浸透しており、その他の業界でも、AIの使用が一般化した段階に入っている。

「ディープラーニングは、もはや枯れた技術だ」
「一般企業が導入するか否かで迷うなんて、問題外だ。なぜビジネスに活かさないのか?
なぜなら、普及し始めている。
すなわち、もう枯れ始めている技術なのだから」
(Google談)

ディープラーニングの効果

◎従前の機械学習
「特徴量の抽出方法」を人間がデザインしてコンピューターにインプットする。

◎ディープラーニング
 「特徴量の抽出」をコンピューターが自動でデザインする。

ビジネス上の隘路にAIを置くべき

AIは経営の妨げとなる課題を解決するために活用されるべき

どのプロセスから付加価値が生まれて、
どのあたりに隘路があるか、
どの部分を変更すると利益が増えそうか
を想定する。

導入のROI(投資対効果)に頓着せずに、「AIでこんなことができる」と聞きかじって、飛び付いてしまう。

利潤の創出に寄与しなAI投資・導入はNG

ビジネス上の隘路にAIを置くべき

例えばショッピングセンターの来客数を子細に数える場合

人を配置すると...

時給1000円 × 12H = 1万2千円/日
1万2千円/日 × 30日 = 36万円/月
36万円/月 × 12ヶ月 = 432万円/年

10か所なら、4320万円/年

カメラを設置すると...

1万6千円/月×12ヶ月=19万2千円/年

10か所なら、192万円/年

「費用・正確性・データ量」の観点から見ると、AIが人間を凌ぐことは明白

非構造化データはとても有用

ディープラーニングに「顔データ」を分析させる

店内の動線行動の把握
購買に至らない理由の推測

POSデータ「購買情報」と紐付け

「こういう動線行動を取った人は65%の確率でこういう商品を購入する」
 ⇒ こういった傾向をデータベース化する。
 ⇒ この分析によって、具体的な方策を考案することができる。

SaaS、PaaS、IaaSのうちどれを用いるべきか

AI企業が提供するクラウドサービスの3つの型式

SaaS
Software as a Service
学習に基づく独自のモデルが無くても、来店客の計数、属性の推定、動線行動の解析が達成できる。

PaaS
Platform as a Service
自社の所有するデータを学習させて独自のアプリを作成できる。

IaaS
Infrastructure as a Service
クラウドサーバーの環境を独力でカスタマイズして構築し、アプリも独自に開発する必要がある。

経験則と勘のみに依拠しない、戦略の立案を可能に

AIの導入は、経験則と勘のみによらない、ファクトデータに裏打ちされた仮説の検証、方針の検討・決定を可能にする。

AI導入事例 (ICI石井スポーツ)

経験則からの分析:「店内がよく視認できなくても売り上げは得られるはず」
AIの分析:「壁の高さと売り上げの間に因果関係はほとんど無い」

【分析に基づく戦略】
壁を低くしガラスの面積を増やして、店外から目に付きやすい場所に、
若年層に人気のTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)を配置した。

【結果】
新規顧客を店内に誘導できたうえに、10ポイント以上もの売り上げ上昇が起きた。

AI導入事例 (ICI石井スポーツ)
さらに来店客に可能な限り店内に滞留してもらうための実験を行った

【実験】
目玉商品を置いたコーナーを入口奥へ配置した。

【結果】
「ついで買い」する顧客を増やし、「どこに何を配置すると販売効率が向上するのか」という有益なデータを得た。

さらには、会社の方針までも、「新たな顧客層を開拓していく」というように変化し始めた。

AI導入事例 (武蔵精密工業)
「ベベルギヤ」の出荷検査のオートメーション化
正常品画像からモデル形成が可能なディープラーニング技術
「Auto Encoder(オートエンコーダ)」を採用

月産130万個に対して、不良品率は 0.002%

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