ブロックチェーン・AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来  著者:小島健志

ブロックチェーン・AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来

小島 健志 (こじま たけし)
1983年生まれ。東京都出身。早稲田大学商学部卒業後、毎日新聞社を経て、2009年にダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部で、エネルギー、IT・通信、証券といった業界担当の後、データ分析を担当。主な担当特集に「『孫家』の教え――起業家に学ぶ10年後も稼げる条件」「大学序列」「データ分析」「儲かる農業」など。また、孫泰蔵氏の連載「孫家の教え」も担当。2018年よりハーバード・ビジネス・レビュー編集部に移る。30歳を過ぎてからプログラミングや統計を学びはじめ、Oracle Certified Java Programmer Silver SE 7、統計検定2級を取得し、DataMixデータサイエンティスト育成コース第5期卒業。

エストニアの行政サービスは99%が電子化

●エストニア
【オンライン化】
♣出生届       
♣会社の登記申請
♣確定申告
 etc…
→オンライン上で全て電子署名するだけ

・IDカード
 電子証明書
 手続全てオンライン
・医療
 Skypeやメールで検査結果聞ける
 薬もIDカードを提示すれば処方
・選挙
 電子投票
 国外でも投票可能
・出生届
 コンピュータに子供の名前を入力すれば手続完了

※【オンライン不可】
・結婚・離婚届…一時的な感情に流されてはいけないと配慮
・不動産…大きなお金が動くので慎重な対応が必要

●日本
・行政手続きに印鑑を使用し、手書きで署名の驚き

健康保険証  各種免許証  処方箋   会員カード
投票用紙   年金手帳   契約書   定期券
納税証明書  印鑑証明書  請求書   卒業証明書
登記簿謄本  住民票    銀行カード クーポン券

国民に行政サービスを届けるためにIT推進

●長い間
 ドイツ・旧ソ連の支配下
●独立
 1991年 国内総生産3割以上減り、国外に出る国民多数

ゼロから国を立て直す必要有!
☝産業→×
☝資源→×
☞最先端技術研究所ー人口知能開発→○
→優秀な人材中心として、電子システムの構築

※占領されていた歴史的背景から領土を失っても、
 国民のデータを集めておくための電子化必要不可欠

1992年 エストニア首相 マルク・ラール氏(革新的な政治家)
   ☝一律税を導入
   ☝大部分の国家産業を民営化
   ☝関税と助成金を廃止
        ⇓
経済が安定、行政サービスIT化を進めるのに成功

行政と民間を結ぶX-Road(エックスロード)

●国民の情報を一斉管理し、行政サービスをオンライン化させるには?
 ・各分野(税・免許・住宅・医療・選挙など)様々なデータをとりまとめることが必要
      ↓
更に、それを集約し、情報交換するネットワークの構築必要
      ↓
非常に多額の費用がかかる
            ⇓
エストニア政府X-Road(エックスロード)を導入

・分散されたデータを安全に繋げることが出来、これまでのデータを崩さず、
 費用を抑えて集約することが可能
      ↓
・個別データに問題が起きても、全体は存続でき、安全でシンプルに効率よく、
 管理することが出来る
      ↓
不正アクセス・データの重複入力を禁止し、1カ所で登録して管理
            ⇓
手続きに必要な情報を請求された場合、全てX-Road(エックスロード)
通して提供

公共セクタ 民間セクタ
住民登録 健康保険登録 自動車登録 文書記録管理システム ドキュメントリポジトリ エネルギー 通信 銀行
アダプターサーバ  アダプターサーバ   アダプターサーバ   アダプターサーバ   アダプターサーバ   アダプターサーバ   アダプターサーバ   アダプターサーバ

セキュリティサーバ  セキュリティサーバ   セキュリティサーバ   セキュリティサーバ   セキュリティサーバ   セキュリティサーバ   セキュリティサーバ   セキュリティサーバ

Internet X-Road

セキュリティサーバ  セキュリティサーバ   セキュリティサーバ   セキュリティサーバ

ガバメントポータルーYour Estonia
http://www.eesti.ee

市民 Citizen View
企業 Enterpriser View
公務員 Public Servant View

MISP
ミニインフォシステムポータル

アダプターサーバ
X-GIS

中央サーバⅠ  ヘルプデスク
中央サーバⅡ   中央監視
X-Road証明書センター

アダプターサーバ
政府情報システムの管理システム

IDカード
モバイルID

ユーザ・インターフェース
MISP
Geo IS
X-Roadセンター
認証センター

強固なセキュリティの構築の成功

電子化が進み利便性が高まると
→データ漏洩や不正利用の問題点発生

●国家→『国民の情報データをどう守るか?』
      ⇓
分散型台帳技術・ブロックチェーン導入

●個人データの閲覧
 詳細履歴を記憶
 (誰が、いつ、データにアクセスしたのかわかるようになっている。)

●データを不正利用した場合
 懲役や罰金などの処罰
※実際に不正に個人情報を利用した者が罰せられたことも

セキュリティ強化を最優先
●エストニア guardtime 社
・KSI
(Keyless Signature Infrastrucstureの略:キーレス署名基盤)
→データ改ざんを即座に発見

データの流れに対して1秒ごとにタイムスタンプを持たせ、入力に対して適当な値を返すハッシュ関数を連鎖することで改ざん防止

サイバー攻撃の脅威
☆2007年4月 政府機関のウェブページに世界から大量アクセス

・政府だけではなく、銀行や主要メディアのサーバーダウン

・国民が情報隔離

・キャッシュレス化が進み、物品購入に支障
      ⇓
●データ改ざんや消滅などの被害はでなかった

しかし、
☆セキュリティに不安を感じた政府

北大西洋条約機構(NATO)サイバー防衛協力センター誘致

防御力を高める
更に、大きなデータをツリー構造でまとめる『マークルツリー』導入

・基本形は2つのデータを1つにまとめ、それを2段3段と構成
・それぞれのデータにハッシュ関数を利用していますが、ハッシュ関数の値は一定の長さなので、どんな大きいデータでも同じデータの長さでまとめることが可能
→この仕組みはデータの検収に役立ち、改ざん検知にも大きな力を発揮

e-Residency(イーレジデンシー)制度
で国を守る事に成功

●2014年 世界で初めて電子国民プログラム
 e-Residency(イーレジデンシー)を開始
 (仮想的・バーチャル住人)

【手続き】
☝インターネットで個人情報を入力
☝カード発行の手数料支払い
☝登録完了後、エストニア警察・国境警備隊による審査を受け→認可→カード発行
☝申請者は大使館(日本では東京都渋谷区)に出向く
☝説明を受け、指紋を登録し受領
※手続き開始からカード受領までわずか一か月間

【メリット】
・日本にいながらEUに拠点を持てビジネス運営可能
・行政サービスは全て電子化され、法人税の優遇有り、
 初期コストも維持コストも非常に低い
→この仕組みの利用者はエストニアの人口増加率よりも多く増え続けています。

e-Residency(イーレジデンシー)を開始した理由

1.国をまもるため
・2014年 ロシアがウクライナの領土だったクリミアを強引に併合した事に
  脅威を感じました。
  ↓
 エストニアもクリミアも、以前は旧ソ連の占領下にあり、この出来事は
も有り得ることで、ロシアに脅威を感じたからです。

●バーチャル住民制度は、エストニアに対して友好な人を増やすことになり、ロシアへの対抗措置になったのです。

エストニアは世界に活躍する自由職業人達にとって重要な場所

●国民の海外流出問題
 ・現在どの国も少子高齢化が進み労働不足で経済成長が伸びない
  →よりよい仕事を求め海外へ

【対策】
・ e-Residency(イーレジデンシー)は大きく貢献
・エストニアの求人サイトJobbatical(ジョバティカル)
 →世界各地で募集している短期の仕事がみつけることが出来る。

【問題点】
☝外国人が他国の求人募集に応募するのには、語学の差・わかりにくい
 手続きに悩まされる。
☝雇用する企業側も同様
→海外でも仕事については雇用する側にも、される側にもとっても
 大きなハードルがあった。

しかし、↓
Jobbatical(ジョバティカル)はe-Residency(イーレジデンシー)の制度を利用して、その壁を越えようとしています。

どうやって、↓
求職者はe-Residency(イーレジデンシー)に登録して、バーチャル住人になり、求人に応募すれば、エストニアの電子政府サービスを利用する事が出来るため、雇用契約を簡単に結ぶ事が出来ます。

エストニア政府は『デジタルノマドビザ』制度を計画中
(365日の居住の許可を与える)

このビザを取得すれば、 ⇓

EU内のビザを個別に申請しなくても、90日間の滞在が可能なシェンゲンビザの権利も得る事が出来、エストニアを拠点に、1年間合法的に欧州で旅をしながら仕事が出来るようになるのです。

☆世界を旅しながら働きたいと思っている人達には、魅力的な制度です。

Skype(スカイプ)誕生の国

・エストニア 人口:約132万人 首都:タリン
       国土:日本の9分の1の小さい国
・1991年…旧ソ連から独立
・2003年…何もなかったところから
     Skype(スカイプ)誕生
         ⇓
小さな国から世界に広く利用される技術を開発させたという自信は、国民に大きな勇気を与え、IT国家となる基礎をつくりました。

☆ Skype(スカイプ)の開発に携わった技術者たちは、 そのあとも有力な事業を起こしました。

代表的なものとして、 ⇓

●TrasferWise(トランスファーワイズ)
 海外への送金手数料が安く安全なシステムです。
●Taxify(タクシファイ)
 アプリをダウンロード→個人情報とクレジットカード入力
 すぐ利用でき、自分の現在地に車を呼び、目的地まで走行してくれる画期的な便利サービス

情報通信技術を活用して最先端のプログラミング教育

☆経済協力開発機構のOECDが行っている学力到達調査(PISA)

👓国際的な基準で、語学力、数学、化学の3分野調査
         ⇓
2015年…エストニア 欧州トップの成績を獲得
      科学において、世界第3位
驚くべき結果!

👓行政サービスのオンライン化と並行して、教育の場でも科学技術を最大限に活用してきました

エストニアのプログラミング教育状況

2012年より『プログラミング教育推進プログラム』がスタート

👓各学校では小学生1年生からプログラミング授業開始
👓コンピュータに関わる技術の勉強を約9割の学校で実施
👓学校のプログラミング選択教科Informatics(インフォマティクス)
 〇ロボットプログラム
 〇ゲームプログラム
 を用いて学習しています。

【教育体制】
☆学校と保護者を繋ぐe-School(イースクール)
 👓生徒の成績・宿題・時間割・出欠を集積
  それを学校・生徒・保護者がいつでもチェックできるようにしてる
  👓教師2人で生徒20人を担当
  各生徒についての詳細な記録とメッセージの入力を行っています。

→高い創造性を持ち、独創性な発想力で、事業や新商品開発を行う能力の高い人材の育成のために、国が低迷している時でも、教育への予算は削減するどころか増やし続け、化学技術を取り入れた学習を支えてきました。

その結果として、 ⇓

☆世界最先端の電子国家としてリーダーシップを取り、技術の高さと優秀な人材の拠点として、世界に向けてエストニアの存在感を高めていくためです。

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